dimecres, 10 de març del 2010

ルンバ講座2『バルセロナのヒターノ』

 こうして海を渡ってやってきたキューバのルンバが、1940 年代半ばのバルセロナでついにスペインのフラメンコと運命の出会いを果たします。

 フラメンコというと、メランコリックな旋律をかき鳴らすギターとかすれた声の力強いボーカルをバックに、鮮やかな衣装を纏った女性が情熱的に踊るシーンを思い浮かべる方も多いと思います。ところが、フラメンコというのはヒターノの音楽全般を指す総称のようなもので、その中でブレリア、タンギーリョなど何十種類ものジャンルに別れています。そして、
このようにバラエティ豊かなフラメンコをジャンルに関わらず演奏することで、ヒターノのギタリストはギターで複雑なリズムを操る技術を身に付けていくのです。
 
 フラメンコの影響でもともとリズムに敏感なヒターノが、外からやってきた全く新しいリズムに興味をそそられるのは当然と言えば当然の話で、なんとかそのリズムを自分たちの音楽に取り入れようと試行錯誤を繰り返します。そうこうするうちに、当時のバルセロナでラテン打楽器などが入手不可能だったという状況も手伝って、フラメンコの楽器と演奏技術を使ってキューバのルンバのリズムを再現することを思いついた人が現れ…。こうして生まれたのが
ルンバ・カタルーニャ。ヒターノのギタリストたちに、こうした複雑なリズムを操る高度な演奏技術がなければ、ルンバ・カタラーナは生まれてなかったかもしれません。
 
 バルセロナにいくつもあったヒターノ居住区の中で、
ルンバ・カタルーニャの誕生に深く関わったとされているのが、旧市街にあるポルタル地区(現ラバル)、バルセロナ中心街の北東にあるグラシア地区、そして中央駅サンツの近くにあるオスタフランチ地区です。『ルンバの父』と呼ばれるEl Pescailla エル・ペスカイーリャことアントニオ・ゴンサレスはグラシア地区のフラメンコ一家に生まれました。フラメンコのギタリストとしても有名だったペスカイーリャの素晴らしい演奏をお楽しみください。



ペスカイーリャがギター一本で繰り出すリズムの豊かなことと言ったら!! 
フラメンコの歌手としても踊り手としても超一流だった妻ローラ・フローレスと共演した映画のワンシーンから。二人の息がぴったりで、歌も踊りも演奏も全てが素晴らしい大好きな映像です!!
ちなみに、日本でも有名なスペイン人映画監督ペドロ・アルモドバルの『トーク・トゥー・ハー』に女性闘牛士役で出演していたロサリオは二人の娘。